1928年、ダーラナ地方のモーラで、13歳と15歳の少年NilsとJannesが小さな工房を始めました。ダーラナ地方に伝わる馬の木彫りに伝統絵付けをほどこしたダーラナホースを作り始めたのです。ダーラナホース(スウェーデン語でダーラヘスト)はスウェーデンを代表する民芸品の1つです。
現在もその家族により受け継がれた工房では、ダーラナホースを始め、靴や置時計など様々なものにその美しい伝統絵付けを施しています。
伝統絵付け、クルビッツとは?
1800年代、ダーラナ地方では盛んに家具や壁、天井などに花や植物をモチーフにした装飾画をペイントしていました。ダーラ・モルニング(ダーラナ・ペインティング)ともいいます。描かれたのは、実際の花や植物ではなく、装飾としてデフォルメされた想像上のものです。
お隣ノルウェーではローズマリングと言われ、同じように家具などにペイントされていました。地方により特徴があり、テレマルク・スタイルなど地域名のついたスタイルがいくつかあります。
スウェーデン、ノルウェーに共通する興味深い点は、どちらも装飾にお金のかけられない貧しい農村で発展したことでしょうか。
その後、移民の手によりこのフォークアートはアメリカへ渡り、現在ではリアルな花からクマやサンタなど自由に描くトールペイントとして、日本でも親しまれています。
Mini colum
ダーラナ地方のモーラについて知っていますか?
ダーラナホースの工房が集中するこのモーラは、人口1万人程の小さな町ですが、ヴァーサロペットのゴールとして冬には人口を上回るたくさんの人が訪れます。
これはスウェーデンを始めて統一した国王ヴァーサが、モーラとソーレン間をスキー板を履いて走ったという話にちなんで、90キロの過酷なクロスカントリースキー大会が行われているのです。
また、スウェーデンを代表する画家、アンデシュ・ソーンはモーラの出身で、ソーン美術館があります。
他にも、スウェーデンの伝統楽器ニッケルハルパの古いタイプにムーラハルパ※という有名な楽器がありますが、このソーン博物館に保存されています。
※Moraのカナ読みは、モーラ、ムーラ両方あり、この楽器名はムーラハルパで一般に知られています。
小さな町ですが、見どころも多い魅力的な町なのです。
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